ベトナム映画祭について

日本とベトナムが外交関係を樹立してから2018年の9月で45年になります。

昨年3 月に天皇皇后両陛下がベトナムを訪問されたことがニュースになりましたが、経済関係やODAなどでも日本とベトナムの繋がりは著しく増えており、日本に来るベトナム人の留学生や技能実習生もかなり多くなっています。
またベトナム映画界は年々右肩上がりの急成長を遂げておりクオリティも高いのにも関わらず、日本では公開の機会がありません。
そこで第一回ベトナム映画祭を企画いたしました。
映画を通じてベトナムを知り、ベトナム人たちと交流する一助になれば幸いです。

ベトナム映画祭2018 実行委員会一同

解説

ベトナムは複雑な国である。元々は漢字を使い、箸で食事をするなど、朝鮮や日本と共に中国文化圏と見られたが、中国に従属はせず、抵抗を繰り返してきた。文字も漢字をアルファベットに変え、西洋化もしたが、仏教の信仰はあつい。独立独歩で向上心が強い。
ベトナム戦争当時、北側で記録映画を作っていた映画監督のダン・ニャット・ミンは、強大なアメリカに勝てるとも思えないまま、フィルムを抱えて夢中でジャングルの中を走りまわっていたものだという。私がベトナムの映画でいちばん感心することは、自分たちがアメリカとの戦いでどんなに強かったかと自慢するような映画を余り作ろうとはしないことである。無いことはないが、むしろ戦争の悲劇的な面を悲しみを込めて描いた作品が多い。
また現在、従来とかくきれい事で済まされがちだった否定面も大胆にとり組み始めている。この新しい行き方も大いに期待したい。  

佐藤忠男( 映画評論家)

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